10-10 天の青

 ティとヨクは1時間ほどして戻ってきた。ヨクは部屋に入るなり大きなくしゃみをひとつした。寝起きのまま飛び出してきたので冷えたのだろう。 「幹部の向こう2ヶ月分のスケジュールとセキュリティのパスワード関連がいくつか流出して …

10-09 天の青

 ビルの駐車場ではすでにカインが待っていた。ヨクとアシュアとともに、護衛の兵士たちも並んでいる。 プラニカが停まるなり、カインはドアを開けてティの腕を掴んだ。 「大丈夫」 彼の力を借りながらプラニカを降りてティは言った。 …

10-08 天の青

 手続きを終えて外に出るとケイナは腕を組んで壁にもたれかかり、大きなガラスがはめ込まれた窓の外を眺めていた。自分の近くを通っていく人がぶしつけなほどじろじろと見ていくことも全く気にならないようだ。 「ケイナ」 声をかけた …

10-07 天の青

「プラニカの免許は持ってる?」 駐車場でティに尋ねられてケイナは肩をすくめた。 「持ってないけど、運転はできる」 ティはかぶりを振ると運転席に座り、隣の席を指した。 「無免許の18歳の少年に運転させられないわ」 ケイナは …

10-06 天の青

 1ヶ月は何事もなく過ぎていった。 サウスエンド医療グループの契約が成立したので、途方もなく忙しくなった。 ヨクはほとんど外出となり、それに一緒について回るアシュアも多忙を極めた。 そんな中でかなり暇を持て余していたのが …

10-05 天の青

 ユージーとのアポイントがとれたのはその2日後だった。 思いのほかクルーレはすんなりと受け入れたらしい。 ケイナが帰ってきているのだから遅かれ早かれそういう申し出があると最初から思っていたのだろう。そうでなければあの時ユ …

10-04 天の青

 その日の夜、ノマドのコミュニティから戻ってきたリアにアシュアは昼間のことを話した。 「グリーン・アイズ?」 シャワーを浴びたあとの濡れた髪をタオルでこすりながら彼女は言った。 「あの何十年も前に消えた女の子の?」 「う …

10-03 天の青

 カインのオフィスに戻ると、彼はティと書類を前に話をしていた。 ふたりが帰って来たことに気づいてカインが顔を向けるとティも振り返り、ケイナの姿を見てかすかに眉をひそめた。 「じゃあ、それで伝えます」 彼女はそう言うと書類 …

10-02 天の青

 ケイナは翌日『ホライズン』で検査を受けた。必要な情報はドアーズに渡された。 「義手や義足のシステムは今すぐにこちらでは詳細が把握できないが、ほとんどもう自由に動くようだし、痛みがなければ大丈夫なのではないかな? チップ …

10-01 天の青

「今は最低限のものしかありませんけど、必要なものがあればそろえますからおっしゃってください」 ティはケイナを部屋に案内すると、パタパタと歩き回ってクローゼットやキッチンを確かめながら言った。 「カインさんの部屋は隣です。 …