09-08 凍る青

 ケイナは薄暗いエレベーターホールに行くと隅に置いてある椅子に腰をおろして足を小さなテーブルの上に乱暴に乗せた。 仏頂面で横のガラス張りの外に目を向けた。 もうすっかり夜だ。小さな光の群れしか見えない。 クルーレはどうし …

09-07 凍る青

 カインとクルーレの会話を聞きながらアシュアは首をかしげた。 クルーレは何か疑っているのだろうか。 ブレスレットとネックレス…… ブレスレット…… この話最近どこかでしたような気がする…… そしてはっとした。 「待って、 …

09-06 凍る青

 大慌てで駆けつけたヨクに連れられてビル内の病院で手当をしたあと、オフィスに戻ったカインはドアのところで思わず立ちすくんだ。 ずらりと並んだ顔。 ケイナ、アシュア、リア、ブラン、ティ、そしてアンリ・クルーレ。 どうしてク …

09-05 凍る青

 すぐ帰る……? 頭の中であざ笑う声がする。 200mの距離から撃ったやつ。 (行っちゃだめ……  行っちゃだめなの…… ) 寝室を出る前にブランがつぶやいた言葉を思い出した。 ブランは予見していた。彼が来ることを。 カ …

09-04 凍る青

 サウスエンドを出たときには午後5時近くになっていた。 「いい手ごたえだったな。先方はきみのことをえらく気に入っていたみたいだ」 ヨクは上機嫌だった。サウスエンドと契約を結べばエアポートの事件での損失もほぼ相殺されるかも …

09-03 凍る青

 カインは水差しに水を汲んでサイドテーブルに置き、ブランの顔を覗きこんだ。 「ブラン、2時間ほどオフィスに行ってくる。また戻るから」 そう言うと、ブランはいやいやと首を振った。カインは身をかがめて彼女の髪を撫でてやった。 …

09-02 凍る青

 しばらくしてリアが現れた。 「熱を出したって?」 リアは言った。 「朝、ぼくが目を覚ましたときは気づかなかったんだけど……」 「でも、しゃべるでしょ?」 「そりゃ、まあ……」 しゃべることができないような高熱だったら、 …

09-01 凍る青

 翌朝、カインは鼻っ柱を何かではたかれてびっくりして飛び起きた。 身を起こすと横にブランのあどけない寝顔があったので、彼女の手が自分の顔を叩いたのだと悟って苦笑した。ベッドをブランに譲って自分はソファで横になるつもりだっ …