07-06 ナナ

 不思議なほど人の気配はぴたりとなくなった。 「ケイナ」 斜面を降りきって平地に入ったときナナはケイナに声をかけた。 「あなた、さっきの…… 殺したの?」 ケイナは彼女をちらりと振り向いたが、何も答えなかった。 「ケイナ …

07-05 ナナ

「登ってきてる」 「移動しよう」 アシュアの言葉にナナも慌てて飛び起きた。 「ケイナ、あんた聞いてたの?」 ナナは手早く荷物をまとめながら小さな声でケイナに言った。 「ナナ」 ケイナは彼女の顔を見た。暗闇でもはっきり分か …

07-04 ナナ

 ケイナたちは平野を離れて起伏の激しい岩場を進んだ。 正規の道を行くより30キロは長くなるとナナは言った。 実際は丸一日オーバーすることになる。 ナナは上り下りの多いことがケイナに負担をかけるのではと心配していたが、つい …

07-03 ナナ

  目的の場所まで行き、岩陰に身を潜めるとケイナはナナの顔を見た。 「ナナ。おれに銃を渡して」 「だめよ。あなたに武器は持たせるなって言われてるわ」 ナナは即座に首を振った。 「おれ、利き腕は左だ。義手のほうを使うんじゃ …

07-02 ナナ

 居住区はあまりにも小さな街だった。 一本のメイン通りの両側に小さな建物が立ち並んでいるだけで、その道も5分も歩けば抜けてしまいそうだった。 「こんなところで山越えのいったい何を調達すればいいのよ……」 ナナは通りの真ん …

07-01 ナナ

「ちょっと休憩させて。」 3時間ほどキューブを走らせたのち、ナナはそう言って停まった。 赤い山を5つほど越えたかもしれない。うっすらと夜が明け始めていた。 アシュアが外を見ると、大小の岩が点在する赤い大地が広がっていた。 …