18-05 水の青-エピローグ

 『ケイナ』はカートの家に引き取られた。 ユージーは養子にはしなかった。サナと結婚させたいという思惑があったのかもしれない。 だがその思惑は外れて、サナはカインの息子アキラと結婚した。サナは昔からアキラのことが好きだった …

18-04 水の青-エピローグ

「お願いがあるの」 ブランはちらりとダイを振り向いた。ダイはそれを見てうなずいてみせた。 「わたしたち、あと80年しないうちに全員いなくなるの」 カインは彼女の顔を無言で見つめた。 「この子を……」 ブランは『ケイナ』に …

18-03 水の青-エピローグ

 ダム湖が見えてきてカインはプラニカを砂浜に下ろした。ユージーのプラニカは既に着いていて、サナが砂浜に足跡をつけて遊んでいた。 ユイが彼女の姿を見つけて走り寄った。ふたりとも同じジュニア・スクールだったので仲がいい。サナ …

18-02 水の青-エピローグ

 20年の月日は瞬く間に過ぎた。 「寒いかしら」 窓の外から空を見上げながらティがつぶやいた。 3年前にドームの一部が解除されてから気温の変化が大きくなった。 「そろそろ行くよ」 カインが言ったので彼女は上着をとりあげた …

18-01 水の青-エピローグ

 『ノマド』の出生率は高いものではなかった。 80年で増えた人口は6000人ほどだっただろう。そのうち、5年以内に寿命が尽きる者は約3割。アライドには『A・Jオフィス』を中心にして、50名ほどの『ノマド』と『アライド』と …

17-09 最後の言葉

 湖岸の砂浜では全員が固唾を飲んでアシュアのバイクを見つめていた。 アシュアが体を後ろにねじってケイナを抱きかかえるようにしてバイクのハンドルを握っている姿を見て、やっと緊張が解けた。 ケイナが無事だった。 アシュアは静 …

17-08 最後の言葉

―― ケイナ、変なこと言わないでくれよ ―― ダフルの声だ。 ―― ごめんだなんて。そんなこと考えてたの? ―― ふふふ、と覚えのある笑い声がする。 ―― 人形、ちゃんと父さんに渡してくれた? 約束は守ってくれよ? ―― …

17-07 最後の言葉

 それはあっという間の出来事だった。 セレスはケイナが小さな呻き声を残しながら走り出して『彼』に飛びかかるのを見た。 次の瞬間には2人も視界から消えた。 全員が慌てて壁の端に駆け寄ると巨大な壁を伝いながら落ちていくふたり …

17-06 最後の言葉

 ハルド・クレイは弱り果てて首をかしげていた。 『コリュボス』への異動を知らされたとき、真っ先に頭に浮かんだのはセレスのことだった。 案の定、セレスはハルドの言葉を聞くなりそそくさとクローゼットを開け、大きなバックを取り …

17-05 最後の言葉

 ケイナの手から鮮血が飛び散るのを見て息を呑んだと同時に、カインはセレスが金切り声をあげながら自分の手から逃れて駆け出して行くのを見た。慌てて腕を掴みなおす余裕もなかった。 「セレス! だめだ!」 アシュアの声が響いたが …