31-13 クローズ・アイズ

 『ケイナ』の体は一瞬散った火花と同時にぴくりと跳ね上がったが、そのまま彼女は動かなくなった。彼女の血はあっという間に彼女の白い服を染めていったが、それよりもあとに漂った肉の焦げる匂いにセレスは思わず嗚咽を漏らした。 し …

31-12 クローズ・アイズ

「バイバイ」 『ケイナ』の言葉を最後にぷつりと切れた通信に、カインは呆然と立ち尽くしていた。 部屋の中にいた者もみな静まり返っている。 「部屋の動力は…… 回復したのか……」 カインがかすれた声で言うと、ひとりの男がかぶ …

31-11 クローズ・アイズ

「セレス…… 地面が揺れてるような気がする。それともおれの体がふらついてるのかな……」 ケイナは言った。 「ううん、違う…… 少し揺れてる。地震みたいだ」 セレスは部屋を見回して答えた。 「彼女を…… 壁際に連れて……」 …

31-10 クローズ・アイズ

 肩に熱い痛みが走る。 画面に釘付けになっていたカインは身をすくませた。 ちくしょう、あの場所にいたら…… 画面越しでなければ ……悔しい。 ケイナの口から思わず漏れた小さな悲鳴にセレスは我に返った。 「ケ、ケイナっ!」 …

31-9 クローズ・アイズ

「だめだ。びくともしない」 ハルドは額を拭った。防護壁は手ではどうすることもできなかった。後ろも前も壁で区切られている。 「ケイナたちは奥に向かってます」 ユージーは腕のナビを見て言った。 「こいつが邪魔してるみたいで通 …

31-8 クローズ・アイズ

「いっ…… て……」 ケイナが呻いてがくりと身を前のめりにさせたので、セレスは慌てて彼を支えた。 「膝、傷むの?」 セレスはケイナの顔を覗き込んだが暗いので表情がよく分からない。 「大丈夫。たいしたことない……」 ケイナ …

31-7 クローズ・アイズ

「『ケイナ』、聞こえるかい」 カインは白いままで何も映らない、目の前の大きなモニターを見つめながら言った。 ―― だれ……? ―― 「カイン・リィだ。ぼくのところに来てくれただろう?」 ―― …… ――  バッカードが口 …

31-6 クローズ・アイズ

 建物の入り口はさほど頑丈な造りではなかった。 ユージーが小さな爆薬をセットすると、いとも簡単に吹っ飛んだ。 「セキュリティロックが解除されたとはいえ、あっけないな……」 ハルドが呆れたように壊れた鉄の枠を見て言った。 …

31-5 クローズ・アイズ

 おれのせいだ…… 赤い光の中で息をきらして自分の膝を掴むケイナを見てセレスは自分を責めた。 おれがあのとき…… 「とにかく奥に行くぞ」 ケイナはそう言うとセレスの腕を掴んで立ち上がった。 「兄さんとユージーは……」 セ …

31-4 クローズ・アイズ

「おーい……」 カインは目を開けて自分の顔を覗き込む男に気づき、その途端にがばっと跳ね起きた。 男の額と自分の額がぶつかった。 「いっ…… てぇ……」 額を押さえてうずくまる男をカインは呆然として見つめた。 「アシュア… …