30-6 グリーン・アイズ

 再び自分の部屋に戻ると夕食はまだそのままテーブルの上に乗っていた。 しばらくそれを見つめたあとカインは疲れ切ったように椅子に座った。 『ファー・システム』か…… 50年前の輸送船じゃあ、動かないだろう。 それでも明日連 …

30-5 グリーン・アイズ

 バッカードは険しい顔で所長室に入って来たカインを訝し気に見た。 「どうされました? こんな時間に……」 カインはその言葉を無視して彼の前につかつかと歩み寄った。 バッカードはちらりと部屋のドアに目を向け、顔をしかめた。 …

30-4 グリーン・アイズ

 自分の部屋に戻ったとき、モニターがまだ文字をスクロールしていたのでカインは途方に暮れた。 それと同時に冷たい感覚も背筋に走る。 「人の島……」 カインはモニターの前に立ってつぶやいた。 「北緯72度、西経40度。行くよ …

30-3 グリーン・アイズ

 むき出しの白い素足に薄い白い服。こんな寒いところでそんな姿で立てるはずもない。 幻覚と分かっていても彼女の姿はリアルだ。落ち窪んだ緑色の目がこちらを睨みつけていた。 ケイナが腰に刺した剣の柄に手を伸ばすのをセレスは見た …

30-2 グリーン・アイズ

 ハルドは目の前にある食事に全く手をつけようとしないセレスに困惑の目を向けた。 丸一日、セレスは食べ物を受けつけなくなっている。無理に食べさせると全て吐いた。 栄養価だけを重視した携帯食ばかりだから食欲は出ないだろうが、 …

30-1 グリーン・アイズ

 リアは肩を揺り動かされてはっとして顔をあげた。 リンクが心配そうに顔を覗き込んでいることに気づき、慌てて涙でこわばった頬を手でこすった。 「少し横になったほうがいいよ」 ためらいがちに言うリンクの言葉にリアは小刻みにう …