28-11 消える点
「遺伝子の問題だって言われたら他にいろいろ調べるわよ。そんなこと、どうしてホライズンが情報として持っているのって。そして顔も知らない父親とおじいさまと…… 知ったのは知りたくもなかった自分の出生のことだったわ。孫娘だとば …
「遺伝子の問題だって言われたら他にいろいろ調べるわよ。そんなこと、どうしてホライズンが情報として持っているのって。そして顔も知らない父親とおじいさまと…… 知ったのは知りたくもなかった自分の出生のことだったわ。孫娘だとば …
何度も降りて見慣れたエアポートに着いて、カインは大きく息を吐いた。 顔をあげるとユージーが兵士のひとりと何やら話をしている姿が目に入った。しばらくして兵士は敬礼をして出ていった。 「銃だ」 ユージーの差し出す銃をカイン …
「ほら」 こわばった表情のまま暗い外を睨みつけているカインにユージーは片手に持ったミネラルウォーターのボトルと補給食のスティックビスケットの袋を差し出した。もう片方の手には自分のものを持っている。 カインはちらりと見て、 …
「ケイナ!!」 セレスは叫んだ。ケイナと別れてから30分くらいしかたっていない。それなのに嘘のように森から人の気配がなくなっていた。 「ケイナ!」 どうしてこんなに静かなんだろう。ケイナはどこにいるんだろう。 足元に何か …
何人倒しただろう。 セレスは息をきらして周囲を見回した。 倒したと…… 思う。手ごたえはあったし。でも、こんなに息がきれるなんて初めて。 アシュアとリアは…… うしろにいるよな。 50人て言ってた。ほんとにそんな数なの …
カインは行ってしまった。 セレスは泣き出したくなる気持ちと、押しつぶされそうなケイナからの緊張に堪えた。 「ユージーから」 ケイナはカインがプラニカで飛び立ったのを確認してポケットからバングルを取り出した。 「軍仕様の …
「お守り?」 セレスはケイナが手渡したトリの作った小袋を見て目を丸くした。 「カインにっていうなら分かるけど、ぼくらにも?」 ケイナは曖昧に笑みを浮かべた。アシュアとカインも怪訝そうに袋を見つめている。ただ、リアだけが袋 …
カインとアシュアは少し呆然としたままのケイナを連れてテントの外に出た。 『よくもぼくの体を使ったな……』 トリはそう言ったが、ケイナがいったい何をしたというのか。アシュアとカインには分からなかった。きっとケイナ自身も分 …
「邪魔だ。ちょっと外に連れていって」 泣き出してしまったセレスを見たケイナが眉をひそめてそう言うと、リアが少し憤慨したような顔をしてケイナをちらりと睨み、セレスをテントの外に連れて出た。 「セレスは…… ちょっと精神状態 …
「なんだか…… ケイナは感じが変わったと思いませんか?」 テントの隅でモニターに顔を突き合わせているカインとケイナを見ながら、リンクはひそひそ声でトリに言った。 トリはケイナの後ろ姿に目を向けた。 横にいるカインが時々戸 …