26-11 螺旋

「ど、どうしたんですか?」 ケイナの様子を見ていたクレスの母親が、血相を変えて飛び込んで来たカインとリンクを見て目を丸くした。 「ケイナは……!」 「ま、まだ眠ってます……」 カインの剣幕に戸惑いながら彼女はベッドに横た …

26-10 螺旋

「ふうん……」 リンクは覗き込んでつぶやいた。 「こうやってみると、ウィルス感染症というのは途方もなくあるもんだ…… 感染症のほうからウィルスを見ようとは思っていなかったな……」 「外の星と交流ができるようになってから検 …

26-9 螺旋

「ケイナの様子はどう?」 リアはベッドに横たわったまま、テントに入ってきたアシュアに顔を向けて尋ねた。 アシュアは気持ち悪そうに手をさすっている。 「どうしたの?」 「ケイナにちょっと血を分けてきた。血ィ抜かれるのなんか …

26-8 螺旋

 リアはかなり深い傷を負っていて、上半身を包帯で巻き上げられて窮屈そうに息を吐いた。 少し顔をしかめながら服を肩まで引き上げたとき、カインがテントに入って来た。 「あなたはどこも怪我していませんか?」 リアを手当てし終わ …

26-7 螺旋

 リアは足元に転がった全身真っ黒な服を着た男を見た。 アシュアはケガをさせることを躊躇させるなと言ったが、リアはとても血を見る気にはなれなかった。 しかし両刃の剣では柄で殴るか、ほかの方法で相手を気絶させるしかない。 甘 …

26-6 螺旋

 アシュアとリアは森にこもりきりになり、セレスとリンクはコンピューターの画面にしがみつき、そして2日がたった。 リアは足をとめると不審気に周囲を見回した。 「アシュア…… なんかヘンよ…… 妙に気配が多く感じられるの」 …

26-5 螺旋

 テントに戻ったとき、ふいにケイナがつぶやいた。 「螺旋には相性がある……」 アシュアとセレスは怪訝な顔をしてケイナを見た。 「なに? ケイナ……」 セレスはケイナの顔を覗き込んだ。 「螺旋には相性がある……」 ケイナは …

26-4 螺旋

「どうもね…… 分からないんですよ」 コミュニティに戻ったアシュアとセレスにリンクは言った。冷たい目をしてコンピューターの画面を見つめているケイナのそばにトリが立っていた。 「遺髪の分析は終わったんです。ケイナはもうグリ …

26-3 螺旋

 カインは大きく息を吐いて木の根元に歩み寄り、疲れ切って腰を落としていた。 何日森の中を歩いただろう。 アシュアと同じように訓練を積んできたカインにとって森の中で数日過ごすことはさほど苦を強いることではなかったが、病み上 …

26-2 螺旋

 ケイナはまるで緻密に作られた人形のようだった。 自分で動くことがなければ誰もが作り物だと思うに違いない。 気をつけていなければ水を飲むことも食べることもしないようなので、たえず誰かが彼の様子を把握していなければならなか …