23-6 一個分の命

 ケイナはテントまで戻って来たが、とても中に入ることができなかった。 アシュアはきっとまだ起きているだろう。 しかたなく疲れきったようにテントの外に座り込んだ。ほかの者は誰も外に出ていない。しばらくすれば頭も冷えると思っ …

23-5 一個分の命

 飲料水は集落の一番外れのテントの中にある。独自にろ過消毒して汲み溜めているのだ。 ケイナは水を汲んで戻りかけてふと人の気配に気づいて足を止めた。 振り向くとリアが同じように水差しを抱えて立っていた。 「水がなくなったの …

23-4 一個分の命

「痛むか?」 テントに戻ってベッドに座り、水で濡らした布で顔を冷やすセレスにケイナは尋ねた。 まだ心臓がどきどきしている。何があったのかを知るのは怖かった。でも聞かずにはいられなかった。 「おれ…… みんなを殺そうとして …

23-3 一個分の命

 セレスとケイナが血液を採取して2日後、剣ができあがってきたとリアが3人を呼びに来た。 見せられたものを見て3人は目を丸くした。 「なんだよ、これ…… 柄しかねえじゃないか……」 アシュアの言うとおりだった。ケースに収め …

23-2 一個分の命

「遺伝子操作にはふたつあった。ひとつはほかの血が混じっても子孫永続を願った者たちへの闇の商品としてだ。商品だからね。失敗は許されない。もうひとつは純粋に研究のための実験のための操作だ。こっちで彼らは何を作ろうとしていたん …

23-1 一個分の命

「遺伝子分析……?」セレスは不安そうにトリを見た。「ケイナからも聞いてたけど…… 遺伝子分析って、何をするの?」トリの横にはちょうどセレスの兄、ハルドと同じくらいの年齢の黒髪の男が立っている。名前をリンクといった。温厚そ …