21-10 日記

 トリのいるテントにリアを連れていくと、トリは丁重にふたりに礼を言った。「ちょっと彼女に意識をそんなに向けられなかったもので……」 トリはリアをケイナから受け取るともう一度礼を言ってテントに入っていった。セレスとケイナは …

21-9 日記

「ねえ」 セレスはためらいがちに言った。 「おれも、前のグリーン・アイズのようになると思う?」 「トリはもうおれたちには負の力はないって言ってただろ」 ケイナは答えた。 「でも、ケイナも暴走体を持ってただろ? 同じグリー …

21-8 日記

 再びテントに戻って来たときケイナは平静を取り戻していたが、トリは続きの話は明日にしようと言った。 3人ともぐったりと疲れたような気分だったので、誰も反対しなかった。 トリのテントをあとにしてセレスはケイナの顔を覗き込ん …

21-7 日記

「そんな忌まわしい記憶を作ったのに…… どうして……」 しばらくしてケイナは目を伏せたままつぶやいた。 トリはケイナを見つめて言った。 「きみの心はからっぽで……」 ケイナは思わずトリの顔を見た。 「からっぽっていうのは …

21-6 日記

 ケイナの顔は恐ろしいほど平静で全く無表情だった。 「トリ、ちょっと休ませてやってくれないか」 アシュアが口を挟んだ。 「セレスが…… やばそうだ……」 セレスは顔色を青くしてかすかに震えていた。無理もない。自分と同じ緑 …

21-5 日記

『毎晩飛び起きて訳のわからないことを叫び散らして森の中へ走っていく…… そのたんびに探しに行く。 ケイナ、おまえの小さな体が震えながら森の中にうずくまっているのを見つけても、ぼくには抱き締めてやることしかできない。 いっ …

21-4 日記

『トリが最近浮かない顔をする。 もともとあまり表情の出ない子なんだが、ケイナを見るときに悲しそうな顔をするんだ。 ケイナのことが嫌いなのかと聞いたら、そうじゃないって言うんだ。 ケイナはいい子過ぎて、いつかそれが大変なこ …

21-3 日記

『ぼくは長老のエリドに筒に入ったままのおまえを渡したんだ。 彼は言った。 「苦労しなくてもいいように、出迎えてやってもよかった。 しかし、本当にきみがここに来る運命なのかどうかを確かめたかった」 エルドは長老というにはま …

21-2 日記

『何か音や振動に反応して開くようになっていたんじゃないかというのは察しがついた。 爆弾みたいなものだったらとんでもないなと思った。 こんな赤い岩しかないようなところで木っ端微塵になって死ぬのは嫌だしな。 走れるだけ走って …

21-1 日記

 小さな丸いレコーダーにトリがディスクを差し込むと、目の前に見知らぬ男が現れた。 彼が「マレーク・ロード」なのだろう。まるで一緒にテーブルについているような感じだ。 歳は30代後半くらい。髪は茶色で伸びきっていて、後ろに …