19-10 夢

 再び閃光が走り、光の向こうでケイナの目が大きく見開かれてセレスを捉えたあとその顔が見る間に溶け始めた。 セレスはどんどん彼の皮膚が溶け、眼球が落ちていっても目をそらさなかった。 これは本当のケイナではない。 今はその確 …

19-9 夢

「ジェニファ!」 アシュアは仰天して祈祷台にした石の前にかがみ込んでいたジェニファを呼んだ。セレスが起き上がったからだ。手から水晶が落ちて転がっていった。 セレスは目を飛び出さんばかりに見開き、両手で首を押さえている。 …

19-8 夢

「ケイナが泣いている……」 アシュアがケイナの顔を見てびっくりしたように言った。 目を閉じて横たわるケイナの目から一筋の涙が流れていた。 ジェニファは首を振った。 「何が起こってるのか判断のしようがないわ……」 アシュア …

19-7 夢

 カインはエアバイクの上で何度も気が遠くなりかけた。 頭がくらくらする。左腕は相変わらず燃えるように熱かった。 「生きてるだと……? ちくしょう……」 カインはつぶやいた。 研究所を抜け出たあと盗んだ個人用の通信機でアシ …

19-6 夢

 セレスはふと目を開けた。そして身を起こしてあたりを見回した。 ここはどこだろう…… わけの分からない木や草があたり一面に生い茂っている。 「これがケイナの意識の中?」 立ち上がって顔をめぐらせた。 高い木がはるか頭上ま …

19-5 夢

「今、時間は?」 1時間ほどプラニカを走らせたのち、アシュアが尋ねた。 「もうすぐ午前2時だ」 ケイナは答えた。たぶんジェニファはもう着いているだろう。 セレスはケイナの肩に頭をもたせかけて寝息をたてていた。 「ちょっと …

19-4 夢

「カイン?!」 いきなり入った通信で仰天したアシュアの声にケイナとセレスが思わず身を乗り出して彼の腕を覗き込んだ。 3人はプラニカに乗り込んだばかりだった。 「カイン、無事だったんだ!」 セレスが嬉しそうに言った。 「今 …

19-3 夢

『これで最後だ……』 ケイナの声が頭に響いてカインははっとして目を開けた。 今何時だろう…… 左腕が脈打つように痛い。 肩から肘の下まで包帯でぐるぐる巻きにされているが肘から下の感覚がほとんどない。 もちろん指を動かすこ …

19-2 夢

 アシュアはコテージを出て、あたりをぶらぶらと歩き始めた。 やりきれない気持ちだった。 ケイナのことは本当の弟のように思っていた。カインもだ。 アシュアには両親はいない。カインのようにトウという伯母の存在も、ケイナのよう …

19-1 夢

 カインはうっすらと目を開けた。焦点がうまく定まらない。ぼんやりと視野の片隅に白い服が見えた。 看護婦? 病院なのか…… 「目が覚めました?」 看護婦が顔を覗き込んだ。色白で人なつっこい笑みがうっすらと見えた。 「今…… …