18-8 海

「ちょっと上を見てくるよ」アシュアはふと階段の上を見上げて言った。「なんか妙に静かだ」そしてケイナをひとり置いて2階にあがっていった。2階の奥がアルの寝室のはずだ。廊下の端の部屋のドアが開いているので、アシュアはそこに向 …

18-7 海

「ユージーはアシュアとカインのことも教えてくれたけど、おれ、そのことは半分信用してて、半分は信用してない」 セレスはアシュアに目を向けた。 「ふたりとも、ほかのライン生と違ってた。空気が全然違うんだ。おれ、そのことにずっ …

18-6 海

 画面の中のアルは少し緊張した面もちだった。 『この留守録に気づいてくれるといいんだけど……。いや、それよりもきみがぼくと同じことを考えてそこにいてくれるといいんだけど……』 アシュアとケイナは顔を見合わせた。セレスは画 …

18-5 海

 アルのコテージはノースタウンの小高い丘を越えたコテージ集落の一番北の端にあった。 集落といってもコテージとコテージは何ブロックも離れていて、アルのコテージは緑の林を後ろにひっそりと立っていた。セレスが言った通り誰も使っ …

18-4 海

 トウは大きな音をたてて椅子から立ち上がった。 「刺したのは誰!!」 彼女の前には小柄な男が身を硬直させて敬礼をしたままで立ちすくんでいた。 「死にました」 彼は答えた。 「撃たれて死にました。ギリアスです」 「カインは …

18-3 海

セレスはふと向こうから歩いて来る若い女性ふたり連れに気づいた。 「ケイナ、女の子に声をかけるんだ。向こうで騒ぎ立ててもらおう、エレベータ―ホールのほうにあいつらの目を逸らせられれば……」 セレスはその姿を見て言った。 そ …

18-2 海

 所長室の前に来るとケイナはセキュリティプレートを銃で吹き飛ばし、中に入るやいなや、数発撃った。 カインとアシュアが相手をとらえる時間もなかった。彼らがケイナの後ろから部屋に入ったときには所長自身が青い顔をして両手をあげ …

18-1 海

 バイクを飛び立たせても頼り無いセレスにケイナは気が気ではなかった。 「セレス、もうちょっとしっかりしろ」 セレスの腕を掴みもう片方の手でハンドルを握りながらケイナは言ったが、それでもセレスはバイクの上から滑り落ちてしま …