16-5 逃亡

 ケイナがようやく平静を取り戻したのは、それから一時間もたってからだった。 セレスはケイナのアパートに行くことを提案し、ケイナは素直にそれに同意した。 アパートへはセレスがバイクを運転した。寒いのか、背後でケイナの体が小 …

16-4 逃亡

 1時間ほど飛んだ頃、目の前に見渡す限りの水平線が広がった。 セレスは思わず目を見張った。水平線の彼方に地球の青い姿が浮かんでいる。 ケイナは湖を取り巻く林を越えて、湖岸の砂の多い部分にエアバイクを降下させた。 「すごい …

16-3 逃亡

「ケイナは?」 部屋には入ってきたアシュアにカインは言った。 「うん…… 今日はとりあえず普通にカリキュラムこなして部屋に戻った」 アシュアは疲れたような顔をして座り込んだ。 「何か分かったか?」 アシュアはデスクに向か …

16-2 逃亡

「カリキュラムが違うからって4年も一度も顔を見たことのない人間がいるなんて、この狭い『ライン』の中で起こりうると思うか? あいつは毎晩自己トレーニングでトレーニング室に行っているはずだが、おれもほとんど毎晩行っているんだ …

16-1 逃亡

 自室に戻ったカインを見送り、目覚めたときのケイナがどうなっているか分からないのでアシュアはしかたなくケイナの部屋で夜を明かした。  朝になって目を覚ましたケイナの態度はアシュアも呆れ返るようなものだった。 「なにやって …