15-4 分身

 あたりは暗く、外から入り込む薄明かりでカインはようやく自分がラインの見なれた廊下にいることに気づいた。 目の前に誰かが歩いて行く。黒い髪に細みの体。 覚えはある。ユージー・カートだ。 そうか。 身長は伸びているけれど、 …

15-3 分身

 セレスの部屋を出てからそのままケイナの部屋に向かおうとするカインの腕をアシュアは掴んだ。 「なに?」 カインは怪訝な顔をしてアシュアを見た。 「ケイナがどうも動揺してるみたいなんだ」 アシュアは言った。 「さっきは落ち …

15-2 分身

 真っ暗だった倉庫にうっすらと常夜灯がついていた。 その中に見覚えのある影を見た。怒りに燃えたケイナの姿だ。 彼の手には「点」が握りしめられている。 その銃口はぴったりとひとりのハイライン生のこめかみにつきつけられていた …

15-1 分身

 トウ・リィは仏頂面で何も映っていないモニターを見つめていた。セレスの母親、エリサ・ロランの情報が全く手に入らなかったからだ。長く延ばした自分のつめを眺めた。 しばらく忙しくて手入れをしていない。いっそ短くしてしまおうか …