12-8 歯車

 深夜の急な外部からのコンタクトで驚いた人間がもうひとりいた。カインだ。「トエラ・ルウという人がきみに面会だ。急用だということだが、どうするかね」デスクの画面に映ったドナルド・ハイツ教官が不快色あらわな表情でカインに言っ …

12-7 歯車

 ケイナは部屋で自分のデスクのコンピューターに向かいながら、ふと画面の片隅に通信のサインが入っていることに気づいた。画面を開くと通信室の男が映った。 「きみに個人通信が入っている。そこで受けるかね」 男は言った。ケイナは …

12-6 歯車

 トウ・リィがそろそろコリュボスに行こうと思い立ったのはちょうどそんな時だった。 カインが思うようにデータを送ってこない。 画面越しのためカインがあれやこれや言い訳をする姿に堪忍袋の緒が切れて殴り飛ばしたくなる気持ちをた …

12-5 歯車

「どんな感じだ? セレスは」「ずっとおれのそばにいなくても大丈夫だぜ。そっちのカリキュラムに影響ないようにしろよ」ケイナはアシュアを見て苦笑した。「カリキュラムよりもこっちのことがおれの仕事なんだよ」アシュアは言った。「 …

12-4 歯車

 セレスはジュディから顔を背けた。「ケイナ、アシュア、たぶんカイン・リィも一緒だったんだろうな。うまい具合に取り入るよな。ケイナはまだカート司令官の息子だしな。今んとこ、カート家の跡取り有望株はケイナだろ?」「関係ないよ …

12-3 歯車

 ケイナを家に誘ったこと、兄と一緒に食事をしたこと、空港で事件に巻き込まれたこと。ずっとケイナが心配で病院にいたこと。 かいつまんでのことしか話せなかったが、そのあとケイナの家に行ったことだけはどうしても言えなかった。 …

12-2 歯車

 ふたりは7時きっかりにアパートをあとにした。  エアバイクを地下の駐車場に停め、見慣れた中央塔のエントランスに足を踏み入れると改めて休暇が終わったことが身にしみて感じられた。  なんだかとても目まぐるしい休暇だった。 …

12-1 歯車

 セレスの家に行ったケイナは2日間ほとんどしゃべらずに黙々とリビングのテーブルに向かってレポートを書いていた。 食事はファストフードやキッチンの機械を使ったが、食事をしている間もケイナの手は休むことがなかった。  セレス …