11-9 予見

 中央塔の近くにある公園にエアバイクを降り立たせると、アシュアがめざとく近くのカフェを見つけてコーヒーを買ってくると言って駆け出した。 早朝なので公園にはあまり人がいなかったが、空港で早い便に乗るらしい、いかにもビジネス …

11-8 予見

 ジェニファを振り向くこともなくまっすぐに自分の部屋のドアの前に戻って、しばらくドアの前で呼吸を整えるように深呼吸をくり返したあと、ケイナは部屋に入った。「どこに行ってたの」ケイナの顔を見てセレスが言った。腹を満たし、汗 …

11-7 予見

 ジェニファは部屋から出てきたケイナを従えるとエレベーターで最上階まであがり、廊下の突き当たりの部屋に彼を案内した。部屋の中はほとんど灯りのともっていない状態だった。「夜は精霊たちを脅かしてはいけないから灯りをともさない …

11-6 予見

「おれは今腹が減って最高に機嫌が悪いからな」ようやくアパートに戻ってきたアシュアとセレスの顔を見るなりケイナは言った。「すぐに口から溢れ出るくらい食わせてやるよ」アシュアはそう答えると包みを持ってキッチンにそそくさと入っ …

11-5 予見

「おまえは味方か? 敵か? おれがおまえのボスに相反したら、おまえはおれを撃つか? 殺すか?」「ケイナ……」カインは面喰らった。ケイナの目は自分を見つめているのに、全く焦点が合っていない。いつもそうだ。まるで相手の頭の中 …

11-4 予見

 ふたりは紙包みふたつぶんの食料を買い込んでモールを出た。 エアバイクを停めた場所まで歩きながら、セレスは通り過ぎようとした横道の奥にふと目を向け、そこに見覚えのある姿を見つけて思わず立ち止まった。「どうした」アシュアが …

11-3 予見

 ケイナの部屋は殺風景とも思えるほど何もなかった。 床は人造ではあったがよくできた板張りで、小さなキッチンとクッションが数個置いてあるだけの小さなリビング、そして向こうにはベッドを置くくらいの広さしかないという寝室がひと …

11-2 予見

 セレスは三人が病院のエントランスから出てきたところでちょうど出会った。 ケイナにエアバイクのキイを渡すと、これで自分の仕事が終わったと思い家に戻ろうときびすを返しかけた。その背にアシュアが声をかけた。「今からケイナのア …

11-1 予見

 二日後、ようやくケイナは退院することになった。「しばらく目が覚めなかったから少し心配しましたが、そのあとが早かったですね。回復がこんなに早い人はめずらしいですよ。普通だったらもう二日ほど様子を見るところなんですが……  …