10-6 暴走

 セレスは久しぶりに心地よい眠りをむさぼっていたが、ふと気配を感じてはっとして顔をあげた。そしてケイナが目を開けて天井を見つめているのを見て一気に目が覚めた。「ケイナ! 分かる? おれのこと分かる?」セレスはケイナの顔に …

10-5 暴走

 ケイナは病院に運ばれ、丸二日間眠ったままだった。そして三日目になっても目を覚まさなかった。 銃ではじき飛ばされた半分の耳は尻のほうの組織を培養し、以前とほとんど変わらないように接合された。 セレスは死んだようにぴくりと …

10-4 暴走

 しばらくあたりは静寂に包まれていた。ケイナはゆっくりと顔をあげた。男の歓喜に満ちた顔がわずか数メートル先に見えた。「お兄ちゃん……」腕の中で少女が怯えた声を出した。「よく聞いて」ケイナは男を油断なく見つめながら言った。 …

10-3 暴走

 ハルドとリーフが戻って来たのはそれから20分後だった。2人に連れられてフロアを横切り、部外者が立ち入り禁止になっているエレベーターに入り、4人は二十階まであがった。「ぼくはここで失礼します。ゆっくり見学していってくださ …

10-2 暴走

 エアポートに向かう間、セレスは小さな子供のように目を輝かせていた。エアポートの管制室とセキュリティ室はケイナ自身も入るのは初めてだ。幾重にもチェックがあって、よほどのことがなければ足を踏み入れることなどできっこない。  …

10-1 暴走

 翌日ケイナは目が醒めた時、一瞬自分がどこにいるか分からなかった。意識がはっきりしてくると信じられないくらい体が軽くなっていることに気づいた。「ああ、そうか……」食事をしたんだ……ハルドとしばらく話をして、そして眠った。 …