09-6 休暇

 シャワーから出てきた時、ケイナはいつもの調子を取り戻していた。「落ち着いたかい」ハルドが紺色のシャツと薄いカーキ色のズボンというラフな格好で戻ってきてケイナに言った。「すみません」ケイナは言った。「気にしなくてもいいよ …

09-5 休暇

 ケイナはもしかしたらそのままノマドにいたほうが幸せだったのかもしれない。セレスはシャワーを浴びながら思った。ノマドの中ではすべて許されただろう。すべてをノマドたちは受け入れてくれただろう。類い稀な容姿も突出した能力も、 …

09-4 休暇

 もしかしたらケイナはひとりで帰ってしまうかもしれない。あのケイナ・カートが自分なんかの誘いに乗るとはセレスには到底思えなかったが、半分以上は期待に胸をふくらませていた。だからケイナが仏頂面で駐車場に現れたときは飛び上が …

09-3 休暇

 新入生たちにとって休暇は多忙な毎日の中で半分忘れかけていたものだった。 彼らは休暇が明けてすぐに半期のテストがあるにもかかわらず、休みの間の計画をたてることに熱中した。「休暇中はノースタウンのコテージに行ってもいいって …

09-2 休暇

 部屋を飛び出したはいいが、セレスはどこに行けばいいのか思い浮かばなかった。体はもうくたくただった。泣き出したい気分だ。『ケイナはレイプされてるんだ』 再び頭の中でジュディの言葉が響いた。「だから?」セレスは呻いた。「だ …

09-1 休暇

「このあいだの夜、どこに行ってたの?」ケイナとの一件があってから数日後、トニはシャワーから出てきたセレスに近づいて小声で言った。ケイナがまだ部屋に戻っていないのはいつものことだ。ジュディもまだ帰ってきていなかった。それで …