06-4 確執
「勝手なことを言ってくれるよ……」カインは呆れ返ったようにつぶやいて自室のベッドの端に仏頂面で座り込んだ。「こっちの気も知らないで。ケイナはぼくらに気をつけろとあの子に?」「セレスってやつがおれたちだってことはわかってな …
「勝手なことを言ってくれるよ……」カインは呆れ返ったようにつぶやいて自室のベッドの端に仏頂面で座り込んだ。「こっちの気も知らないで。ケイナはぼくらに気をつけろとあの子に?」「セレスってやつがおれたちだってことはわかってな …
はっとして目を開けた。冷や汗で額がじっとり濡れていた。まだ心臓がどきどきしている。「夢かぁ……」 そうつぶやいて、そのあと自分の目の前にいる人物に気づいて思わずぎょっとした。もしかしてまだ目が覚めていないのではないかと …
ニ週間後、セレスはトリルからスタンが『ライン』を辞めたことを聞いた。「ルームリーダーのバッガス・ダンが、スタンをひどく殴ったんだ」トリルが少し声を震わせて言った。「前にアシュア・セスとケンカをしてたスキンヘッドだよ」「 …
「ライン」の新入生たちの間ではしばらくスキンヘッドと赤毛の少年の喧嘩騒ぎがことあるごとに話題に昇っていたが、すぐにそんなことに関わってはいられなくなった。毎日があまりにも忙しすぎて、 彼らは自分のやらなければならないこ …