32-4 エピローグ

 カインはユージーとアシュアと一緒に軍機から出て、現場まで歩いていった。 白夜の時期はもう終わりに近づいているらしい。暗くなってきた中に氷を照らす照明が美しく光っていた。 吐く息が白く霧のように流れる。 「医療関係の運営 …

32-3 エピローグ

「アシュア……」 そうつぶやいた次の瞬間には、アシュアの大きな腕が自分の肩をがっしりと抱くのを感じた。 「悪い! おれのほうから行けば良かったんだけど、動けなかったんだ……」 呆然としているカインにアシュアは顔を上気させ …

32-2 エピローグ

「運転手をつけなくていいんですか?」 部屋を出て行こうとするカインにティは言った。 愛らしいくるりとした褐色の目が少し心配そうに見つめている。 「大丈夫だよ」 カインは笑った。 「プラニカの運転はもう慣れた」 トウの時代 …

32-1 エピローグ

 カインは顔をあげて溜め息をつくと、肩のこわばりを感じて首を回した。 何枚の書類をチェックしただろう。毎日毎日、山のような報告書と企画書、計画書…… モニターを見つめているだけでもかなり疲れる。 部屋に誰かが入って来た気 …

31-13 クローズ・アイズ

 『ケイナ』の体は一瞬散った火花と同時にぴくりと跳ね上がったが、そのまま彼女は動かなくなった。彼女の血はあっという間に彼女の白い服を染めていったが、それよりもあとに漂った肉の焦げる匂いにセレスは思わず嗚咽を漏らした。 し …

31-12 クローズ・アイズ

「バイバイ」 『ケイナ』の言葉を最後にぷつりと切れた通信に、カインは呆然と立ち尽くしていた。 部屋の中にいた者もみな静まり返っている。 「部屋の動力は…… 回復したのか……」 カインがかすれた声で言うと、ひとりの男がかぶ …

31-11 クローズ・アイズ

「セレス…… 地面が揺れてるような気がする。それともおれの体がふらついてるのかな……」 ケイナは言った。 「ううん、違う…… 少し揺れてる。地震みたいだ」 セレスは部屋を見回して答えた。 「彼女を…… 壁際に連れて……」 …

31-10 クローズ・アイズ

 肩に熱い痛みが走る。 画面に釘付けになっていたカインは身をすくませた。 ちくしょう、あの場所にいたら…… 画面越しでなければ ……悔しい。 ケイナの口から思わず漏れた小さな悲鳴にセレスは我に返った。 「ケ、ケイナっ!」 …

31-9 クローズ・アイズ

「だめだ。びくともしない」 ハルドは額を拭った。防護壁は手ではどうすることもできなかった。後ろも前も壁で区切られている。 「ケイナたちは奥に向かってます」 ユージーは腕のナビを見て言った。 「こいつが邪魔してるみたいで通 …

31-8 クローズ・アイズ

「いっ…… て……」 ケイナが呻いてがくりと身を前のめりにさせたので、セレスは慌てて彼を支えた。 「膝、傷むの?」 セレスはケイナの顔を覗き込んだが暗いので表情がよく分からない。 「大丈夫。たいしたことない……」 ケイナ …